音のデジタル表現

音のデジタル表現 ワークシート
STEP 1 音とは何か?音の3要素
音は空気の振動!

音は空気が振動して伝わる 波(波形) です。
コンピュータで音を扱うには、この連続した波(アナログ信号)を デジタルデータに変換
する必要があります。
音には3つの重要な要素があります。
〜〜
音の高さ(音程)
波の振動数(周波数)で決まる。
周波数が高い → 高い音
単位は Hz(ヘルツ)
例:ドの音 ≒ 261.6Hz
音の大きさ(音量)
波の振れ幅(振幅)で決まる。
振幅が大きい → 大きい音
単位は dB(デシベル)
例:会話 ≒ 60dB
音色(おんしょく)
波の形(波形)で決まる。
同じ高さ・大きさでも
楽器によって音が違う理由
例:ピアノとギターの違い
人間が聞こえる音の周波数は 約20Hz〜20,000Hz(20kHz) の範囲です。
この範囲を 可聴域 といいます。20,000Hzを超えると 超音波 といいます。
STEP 2 音のAD変換(アナログ → デジタル)
マイクで拾った音声(アナログ)をコンピュータで扱えるデジタルデータに変換することを AD変換(A/D変換) といいます。
このAD変換の最も代表的な方法が PCM(パルス符号変調)方式 です。
PCM方式によるAD変換は 3つのステップ で行われます。
1
標本化
(サンプリング)
一定の時間間隔で
波の値を「測る」
(時間を細切れにする)
2
量子化
測った値を
決まった段階数に丸める
(キリのいい数字に当てはめる)
3
符号化
(コード化)
丸めた値を
2進数(0と1)で
表す
アナログ波形 → サンプリング → デジタル波形
アナログ(元の音) デジタル(量子化・符号化後)
紫の点 = サンプリングした点 → その値を段階に丸めて2進数で表す
STEP 3 標本化周期 と 標本化周波数
標本化周期 = 何秒間に1回測るか
(サンプリング周期)

単位は 秒(s)ミリ秒(ms)
標本化周期 = 1 / 標本化周波数
標本化周期は 短いほど元の音に近くなります
標本化周波数 = 1秒間に何回測るか
(サンプリング周波数)

単位は Hz(ヘルツ) または kHz(キロヘルツ)
標本化周波数 = 1 / 標本化周期
標本化周波数が 高いほど元の音に近くなりますが、データ量も増えます
サンプリング周波数が低い
測る回数が少ない → 波形の再現精度が低い → 音質が悪い
サンプリング周波数が高い
測る回数が多い → 波形の再現精度が高い → 音質が良い
標本化定理(ナイキストの定理)
元の音を正確に再現するには、記録したい最高周波数の2倍以上のサンプリング周波数が必要。

例)人間の可聴域の上限 ≒ 20,000Hz
→ サンプリング周波数は 40,000Hz以上 必要
→ CDは 44,100Hz(44.1kHz) を採用(40,000Hzより余裕を持たせている)
よく出るサンプリング周波数の値
用途 サンプリング周波数 量子化ビット数
電話・音声通話 8,000Hz(8kHz) 8bit
CD(音楽) 44,100Hz(44.1kHz) 16bit
DVD・ハイレゾ 48,000Hz〜96,000Hz 24bit
STEP 4 量子化と量子化ビット数
量子化 = 測った値を決まった段階に丸める

波の値は連続していますが、コンピュータは とびとびの値 しか扱えません。
この「とびとびの段階数」を決めるのが 量子化ビット数(量子化ビット深度) です。
丸めることで生じる誤差を 量子化誤差 といいます。
量子化ビット数 段階数(2ⁿ) 音質 データ量
4 ビット 2⁴ = 16段階 低い 小さい(粗い)
8 ビット 2⁸ = 256段階 普通 中程度
16 ビット 2¹⁶ = 65,536段階 高い(CD品質) 大きい(細かい)★CDの標準
24 ビット 2²⁴ = 16,777,216段階 非常に高い 非常に大きい(ハイレゾ)
量子化ビット数を1ビット増やすと?
段階数は 2倍 になり、データ量も 2倍 になります。
例)8bit → 16bit:段階数 256 → 65,536(256倍!)、データ量は2倍
STEP 5 音声データ量の計算(必出!)
音声データ量の公式

データ量(ビット)=
標本化周波数(Hz)× 量子化ビット数(bit)× 時間(秒)× チャンネル数

※ モノラル = 1ch / ステレオ = 2ch
※ バイトに変換するときは ÷ 8
例題①:CDの音声1分間のデータ量は約何メガバイト(MB)になるか。小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。ただし、1KB = 1,000B、1MB = 1,000KB とする。
1
条件を整理する
サンプリング周波数:44,100 Hz 量子化ビット数:16 bit
時間:60秒 チャンネル数:2(ステレオ)
2
公式に当てはめる
44,100 × 16 × 60 × 2 = 84,672,000 ビット
÷ 8 = 10,584,000 バイト = 10,584 KB ≒ 約 11 MB
例題②:サンプリング周波数を2倍にするとデータ量はどうなる?
// 元の条件:44,100Hz × 16bit × 60秒 × 2ch
// 周波数を2倍(88,200Hz)にすると
88,200 × 16 × 60 × 2 = 169,344,000 ビット ← 元の2倍!
データ量の変化まとめ(頻出!)
・標本化周波数を 2倍 → データ量 2倍
・量子化ビット数を 2倍 → データ量 2倍
・時間を 2倍 → データ量 2倍
・モノラル → ステレオ(チャンネル数2倍)→ データ量 2倍
・量子化ビット数を 8bit → 16bit(+8bit) → データ量 2倍
圧縮(データ量を減らす)
音声データはデータ量が大きいため、圧縮して保存・送受信することが多いです。
非可逆圧縮(MP3・AAC):データ量を大幅に削減できるが、元に戻せない(音質が少し下がる)
可逆圧縮(FLAC・ALAC):元のデータを完全に復元できるが、圧縮率は低い
練習 やってみよう!
【基本】用語の確認
① 音の高さ・大きさ・音色のうち、波の「振幅」で決まるのはどれ?
② 人間が聞こえる音の周波数の範囲(可聴域)はおよそ何Hz〜何Hz?
③ AD変換の3ステップを順番に答えよう
④ 1秒間に何回サンプリングするかを表す値を何という?
⑤ 量子化のときに生じる、丸めによる誤差を何という?
⑥ 音を正確に再現するために必要なサンプリング周波数は、記録したい最高周波数の何倍以上?
【応用】量子化ビット数の計算
⑦ 量子化ビット数が8ビットのとき、何段階で表せる?
⑧ CDの量子化ビット数は16ビット。何段階で表せる?
【発展】データ量の計算
⑨ 標本化周波数44,100Hz・16bit・ステレオで30秒録音したデータ量は何ビット?
⑩ 標本化周波数8,000Hz・8bit・モノラルで
10秒録音したデータ量は何バイト?
⑪ 標本化周波数を44,100Hzから88,200Hzに変えると、データ量は何倍になる?
⑫ 量子化ビット数を8bitから16bitに増やすと、データ量は何倍になる?
⑬ ステレオ(2ch)をモノラル(1ch)に変えると、データ量はどうなる?
⑭ MP3のように元に戻せない圧縮方式を何という?
まとめ ポイントを確認しよう
A/D
AD変換3ステップ
PCM方式
①標本化
②量子化
③符号化
Hz
標本化定理
最高周波数の2倍以上
のサンプリング周波数が必要
CD = 44.1kHz・16bit
データ量の公式
周波数(Hz) × ビット数
× 時間(秒) × ch数
÷8 でバイト換算
テストで出るポイント
・音の3要素(高さ・大きさ・音色)と波形の関係を説明できる
・AD変換の3ステップ(標本化・量子化・符号化)の内容がわかる
標本化定理(最高周波数の2倍以上)を知っている
・量子化ビット数nビット → 2ⁿ段階 で表せることを知っている
データ量の計算(公式)が使える
・各パラメータを変えたときのデータ量の変化(2倍・半分)が答えられる
可逆圧縮・非可逆圧縮の違いと具体例がわかる
eduseful / 音のデジタル表現
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